病院情報の公表は、DPCデータに基づいて作成しています。
DPCは『Diagnosis<診断>・Procedure<処置(手術・検査含む)>・Combination<組み合わせ>』の頭文字をとったものです。
DPCの制度についてはこちらをご覧ください。

病院情報の公表に使用したデータ 

・様式1・・診療録情報(傷病名、手術・処置・検査等、入退院情報など)
・様式4・・診療報酬請求情報(医科保険診療以外の診療の有無に係わる症例調査票)
・Dファイル・・診療報酬請求情報(診断群分類点数表による算定情報)

対象となるデータ

令和6年6月1日~令和7年5月31日の間にDPC請求をした退院件数を集計

集計対象外

・入院後24時間以内の死亡の患者
・生後7日以内に死亡した新生児
・労災(労働災害)、自賠責(自動車損害賠償責任保険)、自費、正常分娩、治験、先進医療の患者、健康保険と他保険・自費を併用した患者

診断群分類別患者数について

・最終的な自院の退院を持って1カウントとします。
・転院率(%)は、最終的な退院先が「転院」の患者の割合を示しています。

その他

・患者数が10未満の場合は‐(ハイフン)としています
・年齢は、入院時点での年齢です

令和6年度 病院情報の公表

医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
    総合診療科 小児科 外科 整形外科 形成外科 脳神経外科 呼吸器外科 血管外科 頭頸部・耳鼻咽喉科 脳神経内科 皮膚科 泌尿器科 産科 婦人科  呼吸器内科 循環器内科 救急科 血液内科 消化器内科 糖尿病内科 新生児内科 緩和ケア内科
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
    外科 整形外科 形成外科 脳神経外科 呼吸器外科 血管外科 頭頸部・耳鼻咽喉科 脳神経内科 泌尿器科 産科 消化器内科 新生児内科
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率

年齢階級別退院患者数 

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年齢区分0~10~20~30~40~50~60~70~80~90~
患者数6112692813244256791,3102,2781,781617

【定義】
令和 6 年 6 月 1 日から令和 7 年 5 月 31 日の期間で、当院を退院された患者さんを10歳刻みで集計しています。
年齢による患者構成や特徴を知ることができます。

【解説】
当院は、総合診療に加え、周産期医療・24時間救急・がん診療に力を入れ、幅広い年齢層に医療を提供しています。
年齢別では、70代の患者さんが最も多く、全体1/4を占め、70歳以上の患者さんが全体の54.5%を占めています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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■ 内科(総合診療科)

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
040081xx99x0xx誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし5417.0220.7851.8584.76
110310xx99xxxx腎臓又は尿路の感染症 手術なし5214.6513.6636.5481.17
030250xx991xxx睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり432.002.022.3361.28
0400802499x0xx肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 
手術なし 手術・処置等2 なし
4212.4516.4021.4385.12
080010xxxx0xxx膿皮症 手術・処置等1 なし2211.2312.989.0971.68

【解説】
総合診療科では、主に不明熱や原因不明の疾患に対する診断・治療に対応しており、誤嚥性肺炎や尿路感染症、その他多様な感染症等に対する加療も行っています。ご高齢の患者さんが多く、併存する基礎疾患や合併症にて重症化する傾向があります。
複合的治療では総合病院である特性を活かし、専門診療科と連携しながら早期回復を目指しております。
また、当院は生活習慣病に関わる睡眠時無呼吸症候群検査専用の病室2室を設置し、良質な環境で睡眠時無呼吸検査を行うことが可能です。

■ 小児科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
080270xxxx1xxx食物アレルギー 手術・処置等1 あり1511.072.100.003.60
040090xxxxxxxx急性気管支炎、急性細気管支炎、
下気道感染症(その他)
425.796.222.382.52
0400801199x0xx肺炎等(1歳以上15歳未満) 
手術なし 手術・処置等2 なし
406.055.612.505.83
080270xxxx0xxx食物アレルギー 
手術・処置等1 なし
221.182.520.002.91
040070xxxxx0xxインフルエンザ、ウイルス性肺炎 
手術・処置等2 なし
135.236.980.002.69

【解説】
小児科では、入院は幼児~就学までの食物アレルギーに対する食物経口負荷試験の検査入院が最も多く、食物アレルギーの患者さんは増加傾向にあります。
その他に急性気管支炎、ウイルス感染症、腸炎や喘息、川崎病、ネフローゼ症候群、初発糖尿病の教育入院や血糖コントロール目的の入院などが入院適応症例です。また、外来ではアレルギー疾患(喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー)、循環器疾患、腎疾患の他、従来からの小児内分泌外来があり、低身長症・糖尿病(1型・2型)・甲状腺疾患・副腎疾患・思春期にかかわる疾患などの専門治療を必要とする患者さんが多いのも特徴です。
入院中は医療保育専門士によるサポートを実施し、お子さんとご家族を対象とした専門的な保育を通じて、本人とご家族のQOL(生活の質)の向上を図っています。

■ 外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
060160x001xxxx鼠径ヘルニア(15歳以上) 
ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等
694.814.54071.51
060035xx0100xx結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 
結腸切除術 全切除、
亜全切除又は悪性腫瘍手術等
手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし
3814.6114.81069.58
060335xx0200xx胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等
手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし
346.217.052.9458.24
060150xx03xxxx虫垂炎 虫垂切除術 
虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等
246.005.324.1742.46
070520xx97xxxxリンパ節、リンパ管の疾患 手術あり195.167.87035.79

【解説】
外科では、胃・大腸(結腸・直腸)・小腸・胆のうといった消化器疾患の診療を行っています。がんは消化器内科や放射線科と連携し、診断から治療(手 術・化学療法・放射線療法等)まで行っています。
他の診療科と連携して診断・治療することができるため、他の領域のがんを合併している場合や心筋梗塞・腎不全等の合併症を有する場合にも対応可能なことが大きな強みです。その他にも、鼠経ヘルニア・胆石胆のう炎・虫垂炎・汎発性腹膜炎に対する手術も数多く行っています。
昨今、外科診療も県内で機能分化・細分化されてきています。食道や肝臓・膵臓の手術は鹿児島大学等へ紹介し患者さんへ不利益にならないようにしています。
また、結腸がんに対するロボット支援下手術(ダビンチ手術)も2024年の10月より開始しております。

■ 整形外科 

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
160800xx02xxxx股関節・大腿近位の骨折 
人工骨頭挿入術
27919.8325.2993.5583.5812
160690xx01xxxx胸椎、腰椎以下骨折損傷
(胸・腰髄損傷を含む。) 
脊椎手術等
9224.7230.3484.7877.88
160760xx01xxxx前腕の骨折 骨折観血的手術589.175.9518.9763.60
160690xx99xxxx胸椎、腰椎以下骨折損傷
(胸・腰髄損傷を含む。) 
手術なし
5715.0919.1678.9577.21
160780xx97xx0x手関節周辺の骨折・脱臼 
手術あり 定義副傷病 なし
556.223.947.2732.49 

【解説】
整形外科では外傷疾患、脊椎脊髄疾患、関節外科、救急外来外科、手外科を中心に診察を行っています。
年々高齢の患者さんが増え、循環器疾患、糖尿病、認知症などの合併症をかかえていらっしゃる方が多く、当院では専門医によるサポート体制で最善の手術や治療が行えるよう努めています。
転倒などによる大腿近位部骨折の入院が最も多く、受傷後48時間以内に緊急手術を積極的に行っており、臥床による褥瘡や認知症等の合併症およびADL(日常生活動作)の低下を予防することに努めている他、骨粗しょう症の検査、治療、栄養指導などを行い、二次性骨折の予防もサポートしています。
脊椎内視鏡手術に関しては、日本では数少ない脊椎内視鏡手術の免許を持った医師がおります。手の外科では手関節・肘関節の内視鏡下手術を施行しております。
また、ナビゲーションシステムを導入し、術中のインプラント挿入がより正確・安全に行えるようになりました。
外来からの入院、手術、リハビリテーション、転院調整、在宅復帰を目指した支援をチーム医療で提供しております。

■ 形成外科 

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
160200xx030xxx顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 
鼻骨骨折整復固定術等 
手術・処置等1 なし
253.63.310.0031.76
080007xx97xxxx皮膚の良性新生物 その他の手術あり195.055.540.0060.00 
160200xx020xxx顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 
眼窩骨折観血的手術
(眼窩ブローアウト骨折手術を含む。)等
手術・処置等1 なし
166.695.980.0036.81 
080007xx010xxx皮膚の良性新生物 皮膚、
皮下腫瘍摘出術(露出部)等
手術・処置等1 なし
144.863.771.0032.86
080010xxxx0xxx膿皮症 手術・処置等1 なし1411.8612.987.1454.71 

【解説】
形成外科では、先天性および後天性の体の表面的な形や色の異常に対する整容面と機能面の治療を行っています。
顔面骨の骨折、眼瞼下垂症、皮膚腫瘍に対する手術目的入院が多く、乳がんに対する切除後の遊離皮弁や人工乳房による乳房再建術も行っています。
また、頭頸部・耳鼻咽喉科と連携して、頭頚部再建と遊離皮弁も行っております。
指切断の救急症例もあり、顕微鏡下で神経・血管・骨・腱などをつなぐ再接合術などのハイレベルな緊急手術にも対応しています。
その他、褥瘡や熱傷、皮膚潰瘍、腋臭症(ワキガ)治療、乳幼児血管腫に対する内服加療やリンパ浮腫の外科的治療も行っております。

■ 脳神経外科 

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
60100xx97x00x頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり
手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし
3218.479.8343.7579.53
160100xx99x00x頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし
手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし
2715.937.9933.3373.44 
010040x099000x非外傷性頭蓋内血腫
(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)
手術なし 手術・処置等1 なし
手術・処置等2 なし
定義副傷病 なし
1219.3318.6883.3370.67 
010060xx99x40x脳梗塞 手術なし 手術・処置等2 4あり
定義副傷病 なし
1026.5016.8960.0071.00
010230xx99x00xてんかん 手術なし 手術・処置等2 なし
定義副傷病 なし
 

【解説】
脳神経外科では、頭部外傷や意識障害での救急搬送の症例や、その他脳卒中の救急医療に力を入れており地域の救急隊と連携をとり24時間受け入れ体制が整っています。
脳の病気は、早期発見・治療することにより脳卒中のリスク予防になります。
また脳ドックも行っており当院で発見から治療まで可能な医療体制が整っております。

■ 呼吸器外科 

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
040040xx02x0xx肺の悪性腫瘍 肺悪性腫瘍手術
肺葉切除又は1肺葉を超えるもの等 
手術・処置等2 なし
9811.069.821.0271.09
040200xx01x00x気胸 肺切除術等 
手術・処置等2 なし 
定義副傷病 なし
448.579.592.2735.77
040200xx99x00x気胸 手術なし 
手術・処置等2 なし 
定義副傷病 なし
298.249.2813.7950.59 
040150xx97x0xx肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術あり 
手術・処置等2 なし
2121.1928.4119.0564.24
040040xx9910xx肺の悪性腫瘍 手術なし 
手術・処置等1 あり
手術・処置等2 なし
162.563.030.0075.88 

【解説】
呼吸器外科では、主に肺がんの手術を行っており、肺がん症例は年間120件以上施行しています。そのうち肺がんに対するロボット支援下手術(ダビンチ手術)を、2024年は肺症例は32例、縦隔症例は13例施行しております。早期のものに関してはより低侵襲な胸腔鏡またはロボット支援下手術が80%を占め、肺機能温存を目指した区域切除も積極的に行っています。縦隔リンパ節転移陽性例や隣接臓器への直接浸潤した、いわゆる進行肺がんに対しても、術前補助療法を行ったのちに手術を行うことでより根治性の高い治療を行っております。
当院では肺がん治療に関しては呼吸器内科、病理診断科、放射線科と毎週多職種カンファレンスを行っており診断から治療までスムーズな集学的治療(手術、化学療法、放射線治療など)が可能です。

■ 血管外科 

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
050170xx03000x閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 
その他のもの(観血的なもの)等
手術・処置等1 なし、1あり 
手術・処置等2 なし 
定義副傷病 なし
234.225.150.0072.78
050180xx02xxxx静脈・リンパ管疾患 
下肢静脈瘤手術等
212.142.664.7665.00
050170xx03001x閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 
その他のもの(観血的なもの)等 
手術・処置等1 なし、1あり 
手術・処置等2 なし 
定義副傷病 あり
204.409.2925.0080.85
050130xx97020x心不全 その他の手術あり 
手術・処置等1 なし、1あり 
手術・処置等2 2あり 
定義副傷病 なし
050170xx99000x閉塞性動脈疾患 手術なし 
手術・処置等1 なし 
手術・処置等2 なし 
定義副傷病 なし
 

【解説】
血管外科では閉塞性動脈硬化症や下肢静脈瘤の手術治療を行っていますが、皮膚潰瘍や蜂窩織炎、壊疽などの合併症もあり、皮膚科・形成外科と連携し入院治療も行っています。
糖尿病や透析患者さんも糖尿病内科た泌尿器科と診療連携で治療を行っています。
●2025年3月31日をもちまして、血管外科を閉診いたしました。

■ 頭頸部・耳鼻咽喉科 

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
030230xxxxxxxx扁桃、アデノイドの慢性疾患936.857.350.0018.73
030350xxxxxxxx慢性副鼻腔炎726.115.840.0050.49
030240xx99xxxx扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、
急性咽頭喉頭炎 手術なし
405.835.630.0047.60
030440xx01xxxx慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 
鼓室形成手術等
315.526.060.0044.35
030320xxxxxxxx鼻中隔弯曲症266.085.633.8544.81

【解説】
頭頸部・耳鼻咽喉科では、慢性扁桃炎に対する口蓋扁桃手術、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に対する内視鏡下の鼻手術の症例が上位を占めます。
咽喉頭急性感染症の緊急入院治療、顎下腺唾石症や頸部のう胞の手術も行っております。 
クリニック等からの紹介が多く、急性期治療は当院にて実施、退院後はかかりつけ医と連携し、フォローアップに努めています。
また、頭頸部がんに対する手術や放射線治療、化学療法も行っております。他にも突発性難聴では高気圧酸素治療も行っております。

■ 脳神経内科 

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
010230xx99x00xてんかん 手術なし 
手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし
304.836.893.3348.93 
010060xx99x20x脳梗塞 手術なし 
手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし
2116.4316.9433.3382.90 
010160xx99x00xパーキンソン病 手術なし 
手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし
2127.8617.9542.8675.33 
010060xx99x40x脳梗塞 手術なし 
手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし
2015.8016.8920.0070.90
010110xxxxx40x免疫介在性・炎症性ニューロパチー 
手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし
1918.3715.455.2656.84

【解説】
脳神経内科は、頭痛・めまい・しびれなどの症状や、脳卒中・パーキンソン病・アルツハイマー型認知症などの一般神経内科領域の治療から、難病疾患治療、急性期神経疾患の救命救急医療、急性期リハビリテーションまで多岐に渡る診療を行っております。
末梢神経障害においては、指定難病のギラン・バレー症候群やCIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)の他、手根管症候群などに電気生理診断も行っております。
また、パーキンソン病は、内科的治療(薬剤調整)やリハビリ、MIBGシンチグラフィー、ダットスキャンなどの画像診断を行っております。

■ 皮膚科 

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
080010xxxx0xxx膿皮症 手術・処置等1 なし1713.3512.9823.5369.29
080090xxxxxxxx000紅斑症 
080020xxxxxxxx帯状疱疹
080100xxxx0x0x薬疹、中毒疹 
手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし
080030xxxxxxxx疱疹(帯状疱疹を除く)、その類症 

【解説】
皮膚科では、皮膚膿瘍、蜂巣炎、帯状疱疹や薬疹などの症例が多くあります。
その他、湿疹やアレルギー疾患、細菌・真菌・ウイルス感染症、膿瘍性疾患など皮膚疾患全般の治療を行っております。
なお、他診療科からの診療依頼も多く受け入れ、患者さんの症状に応じたケアを行なっております。
●2025年4月より、皮膚科医師が非常勤体制となり現在は外来のみの診療となっております。

■ 泌尿器科 

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
110080xx991xxx前立腺の悪性腫瘍 手術なし 
手術処置等1あり
932.062.450.0072.75
110080xx01xxxx前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等589.5311.111.7271.69
110070xx03x0xx膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 
経尿道的手術 手術処置等2なし
537.476.813.7776.96
110070xx02xxxx膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 
経尿道的手術+術中血管等描出撮影加算
435.586.750.0071.81
11012xxx02xx0x上部尿路疾患 
経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病名なし
316.845.166.4566.97

【解説】
泌尿器科では、前立腺・腎・膀胱の悪性腫瘍から前立腺肥大症や尿管結石症等の治療を行っております。
悪性腫瘍に対しては手術療法・化学療法・放射線療法など個々の患者さんにあった治療選択が可能となっております。
男性の高齢者に多く見られる前立腺がんは、PSA検査や針生検法の検査入院も行っており、検査から治療までの一貫した治療を行っております。
手術だけではなく、化学療法や放射線治療にも患者さんに合ったスタイル(入院・外来通院)で提供しております。
救急体制も完備しており緊急手術・処置を24時間対応することが可能となっております。

■ 産科 

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
120260x001xxxx分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満) 
子宮破裂手術等
2110.149.344.7632.48
120180xx01xxxx胎児及び胎児付属物の異常 
子宮全摘術等
179.889.400.0032.71
120170x199xxxx早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 
手術なし
1218.5819.4741.6731.92 
120160xx01xxxx妊娠高血圧症候群関連疾患 
子宮破裂手術等
1013.1012.730.0031.50
120170x101xxxx早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 
子宮破裂手術等
 

【解説】
産科では、分娩を安全に終了させるために、母体及び胎児の状況に応じた緊急時の帝王切開も行っています。
※骨盤位・・・産道からみて胎児の頭部より骨盤部が先進している状態(逆子)
※前置胎盤・・・骨盤が正常より低い位置に付着し、胎盤が子宮の出口(内子宮口)にかかっていたり覆っていたりする状態
(正常分娩は保険適応外のため、症例件数には含まれておりません)
●2025年7月31日をもって分娩休止し、現在は一時休診となっております。

■ 婦人科 

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
120070xx01xxxx卵巣の良性腫瘍 
卵巣部分切除術(腟式を含む。) 
開腹によるもの等
120010xx99x30x卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 
手術なし 
手術処置等2-3あり 
定義副傷病名なし
 
12002xxx02xxxx子宮頸・体部の悪性腫瘍 
子宮頸部(腟部)切除術等
120070xx02xxxx卵巣の良性腫瘍 
卵巣部分切除術(腟式を含む。) 
腹腔鏡によるもの等
12002xxx99x40x子宮頸・体部の悪性腫瘍 
手術なし 
手術処置等2-4あり 
定義副傷病名なし
 

【解説】
婦人科では、悪性腫瘍や子宮筋腫や卵巣のう腫に対して子宮全摘術や子宮付属器摘出術の開腹手術・腹腔鏡下手術を行っております。
子宮がん検診、月経困難症、更年期障害などの一般外来、良悪性腫瘍の治療(薬物療法・手術療法)を行っています。
また、女性の下腹部痛を主訴とする婦人科救急疾患など24時間対応可能です。
●2025年8月より、婦人科医師が非常勤体制となり現在は外来のみの診療となっております。

■ 呼吸器内科 

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
040040xx9910xx肺の悪性腫瘍 手術なし 
手術処置等1あり 手術処置等2なし
972.433.032.0670.12
0400802499x0xx肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 
手術なし 手術処置等2なし
5915.4416.4032.2082.95 
040040xx9905xx肺の悪性腫瘍 手術なし 
手術処置等1なし 
手術処置等2-5あり
4316.5818.722.3368.77 
040110xxxx00xx間質性肺炎 手術処置等1なし 
手術処置等2なし
3713.6818.685.4172.22
040040xx99040x肺の悪性腫瘍 手術なし 
手術処置等1なし 
手術処置等2-4あり 
定義副傷病名なし
367.198.160.0070.69

【解説】
呼吸器内科では、間質性肺炎(肺線維症)や肺がん、感染症、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など幅広い呼吸器疾患の診断と治療を行っています。肺炎やCOPD急性増悪などによる重症呼吸不全にも対応しております。
肺がんの診断は気管支鏡検査が中心となり、1泊2日で行っております。平成31年4月より超音波気管支鏡検査(EBUS)を新たに導入し、より精度の高い診断が可能になりました。
肺がん治療は化学療法(抗がん剤による治療)が中心となり、適応患者さんには免疫チェックポイント阻害剤(オプジーボ・キイトルーダ・テセントリク・イミフィンジ・ヤーボイ・イジュド)や、2025年度からは特異性抗体薬(ネシツマブ)、二重特異性抗体薬(タルラタマブ・アミバンタマブ)の治療も行っております。また、放射線治療も積極的に施行しています。同時に癌性疼痛に対する鎮痛などの緩和治療も併行して行っています。
外来化学療法室があり、通院でも安心して化学療法治療が受けられるよう、患者さんやご家族への支援、投与管理、栄養指導なども行っています。
他にも、呼吸器外科と緊密に連携し膿胸や気胸などの治療を行っています。

■ 循環器内科 

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
050130xx9902xx心不全 手術なし 手術処置等1なし
手術処置等2-2あり
5823.3123.9643.1081.67
050130xx9900x0心不全 手術なし 手術処置等1なし 
手術処置等2なし 
他の病院・診療所の病棟からの転院以外
3116.3517.3325.8184.19
050210xx97000x徐脈性不整脈 手術あり 
手術処置等1-なし、1,3あり 
手術処置等2なし 定義副傷病名なし
1110.189.590.0078.91
050190xx99x0xx肺塞栓症 手術なし 手術処置等2なし
050070xx9700xx頻脈性不整脈 その他の手術あり 
手術処置等1-なし、1,3あり 
手術処置等2なし
 

【解説】
循環器内科では院長濱崎を中心に、冠動脈CTや心筋血流シンチグラム・ホルター心電図・心臓超音波検査・MRIなどの検査機器を生かし、虚血性心疾患をはじめ高血圧・心不全・不整脈などの診断と治療を行っております。
外来は診療アクセスの容易さを心がけており、ペースメーカー外来や二次健診外来を中心に行う他に、救急の患者さんにも積極的に対応しております。
鹿児島市立病院はじめ、鹿児島医療センター・鹿児島大学病院など先端医療を担う施設とも緊密に連携し、より多様な患者さんのニーズにお応えできるよう努めております。

■ 救急科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
161070xxxxx00x薬物中毒(その他の中毒) 
手術処置等2なし 定義副傷病名なし
213.673.5814.2936.38
110310xx99xxxx腎臓又は尿路の感染症 手術なし2019.1513.6655.0084.25 
030400xx99xxxx前庭機能障害 手術なし195.214.670.0067.47
0400802499x0xx肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 
手術なし 手術処置等2なし
1813.1116.4011.1183.78
130100xxxxx40x播種性血管内凝固症候群 
手術処置等2-4あり 定義副傷病名なし
1521.9325.3233.3379.20 

【解説】
当院救急センターは、24時間体制で救急患者を受入れています。
2021年8月ドクターカーの導入により、医師が初療現場へ直接赴く体制が整い、迅速かつ高度な救急医療の提供が可能となりました。
原則として、初期診療は救急担当医が行い、中毒、熱中症・低体温症などの環境障害、重症敗血症や多臓器不全といった重症例については、救急科医師が引き続きHCU(高度治療室)にて急性期治療を担います。
一方、脳血管障害、消化管出血、急性腹症、喘息や多発外傷などの疾患については、救急担当医による初期診療後、専門診療科の医師へと引き継ぎ、継続的な治療を行います。
また、他医療機関や救急隊との密な連携のもと、地域に根ざした救急医療の実践を通じて、住民の健康と安全に貢献できる体制づくりに取組んでいます。

■ 血液内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
130030xx99xBxx非ホジキンリンパ腫 手術なし 
手術処置等2-Bあり
4311.4412.2311.6376.58123 
130060xx99x4xx骨髄異形成症候群 手術なし 
手術処置等2-4あり
209.309.725.0073.30
130030xx99x4xx非ホジキンリンパ腫 手術なし 
手術処置等2-4あり
1811.398.6516.6778.83
130010xx99x5xx急性白血病 手術なし 
手術処置等2-5あり
127.009.610.0067.33
130030xx99x0xx非ホジキンリンパ腫 手術なし 
手術処置等2なし
 

【解説】
血液内科では現在常勤2名で診療しています。
悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、白血病などの造血器腫瘍や、特発性血小板減少性紫斑病等の造血器疾患も診療しています。2021年1月からは無菌室(クリーンルーム)を2室設置し、骨髄異形成症候群や白血病の対応も可能となりました。
鹿児島大学病院やその関連病院の他、県内多くの医療機関よりご紹介をいただいており、受け入れの遅延がないよう努めております。

■ 消化器内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
060035xx03xxxx結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 
早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術
595.936.390.0070.56
060340xx03x00x胆管(肝内外)結石、胆管炎 
限局性腹腔膿瘍手術等
手術処置等2なし 
定義副傷病名なし
557.568.8814.5578.40
060020xx04xxxx胃の悪性腫瘍 
内視鏡的胃、
十二指腸ポリープ・粘膜切除術
387.057.452.6372.37
060102xx99xxxx穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患
手術なし
337.527.603.0369.58
060035xx97x0xx結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 
その他の手術あり 手術処置等2なし
2612.9214.430.7778.00 

【解説】
消化器内科では、消化器内視鏡に関するほぼ全領域の検査【上・下部内視鏡検査・ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査)・肝炎ウイルス検査など】から治療【肝臓・胆のう・膵臓疾患に対する高度医療、早期がんに対するESD(内視鏡切除術)など】をまんべんなく取り扱っており、放射線科、病理診断科、外科と連携し、診断から治療まで一貫して行っております。
当院が急性期の総合病院である特色から、他科疾患合併症を有するリスクの高い患者さんや緊急処置を必要とする患者さんの救急搬送を多く受け入れております。
外来は離島を含め県内各地の多数の医療機関と病診連携をとっています。
また、地域がん診療連携拠点病院であり、質の高いがん医療の提供に努めており、当科では専門医が超音波内視鏡検査など高度の画像診断技術を用いたがんの早期発見・治療に積極的に取組んでおります。

■ 糖尿病内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
10007xxxxxx1xx2型糖尿病
(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 
手術処置等2-1あり
6611.5213.7715.1568.91
100202xxxxxx0xその他の副腎皮質機能低下症
定義副傷病名なし
115.828.860.0059.36 
10007xxxxxx0xx2型糖尿病(
糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 
手術処置等2なし
 
100040xxxxx10x糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 
手術処置等2あり 定義副傷病名なし
10006xxxxxx1xx1型糖尿病
(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 
手術処置等2-1あり
 

【解説】
糖尿病内科では、1型・2型糖尿病、妊娠糖尿病などの糖尿病診療の他に、甲状腺や副腎などの内分泌疾患の患者さんの診療を行っております。
成人の糖尿病だけではなく、小児科より紹介された16歳以上の患者さんの治療も小児科と連携して行っております。
血糖コントロールや教育目的入院、高血糖・低血糖の緊急症例だけではなく、内分泌疾患や電解質異常の精査も行っています。

■ 新生児内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%) 
平均
年齢
患者用
パス
140010x199x0xx妊娠期間短縮、
低出産体重に関連する障害(2500g以上)
手術なし 手術処置等2なし
457.606.1113.330.00
140010x299x0xx妊娠期間短縮、
低出産体重に関連する障害
(1500g以上2500g未満)
手術なし 手術処置等2なし
3124.0011.833.230.00
140010x199x1xx妊娠期間短縮、
低出産体重に関連する障害
(2500g以上)
手術なし 手術処置等2-1あり
1416.8610.6014.290.00
140010x299x1xx妊娠期間短縮、
低出産体重に関連する障害
(1500g以上2500g未満)
手術なし 手術処置等2-1あり
1333.0023.190.000.00
140010x297x1xx妊娠期間短縮、
低出産体重に関連する障害
(1500g以上2500g未満)
手術あり 手術処置等2-1あり

【解説】
新生児内科では、他病院と連携して地域の周産母子医療を担っております。
低出生体重児で生まれてくる新生児に対して人工呼吸管理や光線療法を行い、また早期からリハビリを実施することにより、運動機能の発達の遅れを取り戻し、発育向上に努めております。
パリビズマブとは、RSウイルス感染による呼吸器感染症の重症化を抑える注射治療です。
退院後もフォローアップ外来で引き続き治療を行っており、2022年4月1日に「いまきいれ子ども発達支援センターまぁる」が開設したことで、発達支援サービスがよりきめ細かく対応できるようになりました。

■ 緩和ケア内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
(%) 
平均
年齢
患者用
パス
070040xx99x2xx骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。) 
手術なし 手術処置等2-2あり
168.5019.5143.7567.88
090010xx99x2xx乳房の悪性腫瘍 
手術なし 手術処置等2-2あり
010010xx9903xx脳腫瘍 手術なし 
手術処置等1なし 手術処置等2-3あり
040040xx9900xx肺の悪性腫瘍 手術なし 
手術処置等1なし 手術処置等2なし
060040xx9700xx直腸肛門(直腸S状部から肛門)
の悪性腫瘍 
その他の手術あり 
手術処置等1なし 手術処置等2なし

【解説】
緩和ケア内科では、主にがんと診断された患者さんの痛みなどの症状を和らげたり、患者さんとご家族の気持ちのつらさを受けとめ、療養の方針・療養の場所などについて話し合いを行いながら、よりよい療養のお手伝いをしています。
当院には主に身体症状の緩和を担当する2名の専門医と、気持ちのつらさや不眠などに対応する精神担当の専門医が1名在籍して対応しています。
さらに、認定看護師、薬剤師、社会福祉士、管理栄養士、理学療法士、公認心理士などの多職種も加えた緩和ケアチーム体制で外来・入院サポートに対応するだけでなく、無料で相談できるがん相談支援センターを設置するなど、安心して療養・生活するための体制を作っています。
がん相談支援センターは、当院以外で治療中の患者さんも受入れています。どうぞお気軽にご相談ください。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数 

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初発初発初発初発初診再発病期分類
基準(※)
版数
Stage IStage IIStage IIIStage IV不明
胃癌352718
大腸癌262733955318
乳癌18
肺癌754410310115618
肝癌1118
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

【定義】
「初発」とは、対象のがんに対して初めて、診断/治療を行った場合のことを指します。
他施設でがんと診断され、当院にて治療を開始または継続した場合も含みます。
「再発」とは、診断した施設を問わず、同じ部位へのがんの再発(局所再発)、別の部位への転移(遠隔転移)した場合を指します。本集計は、延べ入院患者数のため、化学療法や放射線治療などの繰り返しの入院の場合は、同一患者であっても入院の都度カウントされます。

UICC(国際対がん連合)病期分類:
腫瘍の広がり、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無の3つの要素でがんの進行度(ステージ)を評価する分類方法のこと。

【病期分類の見方】
0 期: がん細胞が粘膜内(上皮細胞内)にとどまっており、リンパ節に転移していない。
Ⅰ期 :がんの進行が少し広がっているが筋肉の層までとどまっており、リンパ節に転移していない。
Ⅱ期 :ステージⅠの筋肉層を超えて少し浸潤(広がる)している。または、リンパ節に転移していてる。
Ⅲ期 :がんがステージⅡより更に浸潤しており、リンパ節転移も複数みられる。
Ⅳ期 :がんが離れた他の臓器や遠くのリンパ節へ転移している。

【解説】
当院では地域がん診療連携拠点病院として、5大がんはもちろん、それ以外にも幅広いがん診療を担っています。5大がんのひとつである肺がんにおいては、県内でも多くの治療実績があります。患者さんにとって身体的負担が少なく、安全性と精度に優れた低侵襲手術にも積極的に取組んでおり、ロボット手術に関しては、呼吸器や泌尿器系に加えて、2024年より大腸がんに対しても手術を開始しました。 また、がん統計については集計結果を別途ホームページ内で掲載しておりますので、ぜひご覧ください。 がん治療においては、医師、看護師、薬剤師、その他コメディカルが参加する多職種カンファレンスを通して、患者さんにとって最善の治療法を選択し、チーム医療による高度で適切な医療を提供しています。 さらに、がん相談支援センターを設置し、治療に関する疑問や不安、セカンドオピニオンに関する相談にも幅広く対応できる体制を整えています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数平均
在院日数
平均年齢
軽症457.9852.58
中等症13013.5479.44
重症3217.5681.81
超重症19.0091.25
不明

【定義】
様式1の「入院の契機となった傷病名に対するICD10」および「医療資源を最も投入した傷病名に対するICD10」がどちらも「J13」~「J18$」で始まるもののうち、年齢が20歳以上で様式1の「肺炎の重症度」の7桁目が「5:市中肺炎」の場合。

下記項目にて1項目該当=1点、2項目該当=2点とし、その合計点数にて分類されます。

肺炎重症度分類(A-DROP)
・ Age(年齢)      男性70歳以上、女性75歳以上
・ Dehydration(脱水)  BUN 21mg/dL以上または脱水あり
・ Respiration(呼吸)   SpO2<=90%(PaO2 60Torr 以下)
・ Orientation(意識障害) 意識障害あり
・ Pressure(収縮期血圧) 収縮期血圧90mmHg以下
ただし、ショックがある場合は、合計点数に関わらず「超重症」に分類されます。

【解説】
市中肺炎とは普段の社会生活の中でかかる肺炎のことです。
この指標では細菌による肺炎を集計しているため、COVID-19やインフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎や誤嚥による肺炎などは集計対象外です。当院では軽症および中等度の患者数が多く、高齢になるほど重症化し、入院日数が長くなります。
治療は、急性呼吸不全の管理、薬剤投与が中心となります。最新の機器(人工呼吸器、NPPV、ネーザルハイフローなど※)を活用し、様々な病態に応じた呼吸管理を行っています。
※NIPPV(非侵襲的陽圧換気療法):気管切開や気管挿管をすることなく、マスクを介して換気を行う治療法です。
※ネーザル・ハイフロー:鼻のカニューレにより高流量(30-60L/分)の酸素を流す治療法です。
今回の集計では主な疾患が肺炎の場合に集計対象となっているため、基礎疾患(がんや脳卒中、糖尿病など)をお持ちで肺炎を併発された患者さんは肺炎として集計されていない場合があります。このため、実際の市中肺炎の患者数は集計値よりも多いです。

脳梗塞の患者数等

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発症日から患者数平均在院日数平均年齢転院率(%)
3日以内8726.0578.1738.94
その他2618.8878.1915.04

【定義】
脳梗塞の病型別の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率(%)を集計しました。
最も医療資源を投入した傷病名のICD-10コードの上3桁で集計しています。

【解説】
当院では発症3日以内の緊急入院が多く、超急性期治療~急性期の検査・治療、脳梗塞後遺症に対する胃瘻造設術等、幅広く治療を行っております。
脳SPECTや脳血管造影等の検査や、血栓溶解療法、脳保護療法、抗脳浮腫療法、抗血栓療法、リハビリテーション等の治療を行い、再発予防に努めてます。
また、発症して間もない超急性期脳梗塞に対しては、状況に応じてt-PA療法、血栓回収療法も行っております。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

■ファイルをダウンロード■

診療科別の主要手術(上位3位)について、患者数、術前術後の平均在院日数、転院率、平均年齢について集計しました。
・厚生労働省が定める、医科点数表に基づくKコード・名称を使用しています。
・各診療科別に手術件数の多い順に3つ選択。但し軽微な手術、件数が10件未満及び、臓器移植については集計対象外です。
・複数の手術を同時に行った場合、主たる手術(又は点数の高い手術)を集計しています。

■ 外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
K672-2腹腔鏡下胆嚢摘出術591.223.973.3960.31
K6335鼠径ヘルニア手術471.232.810.0073.49
K719-3腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術324.2211.889.3870.06
K634腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)241.293.080.0067.29
K718-21腹腔鏡下虫垂切除術
(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)
241.253.754.1742.46

【解説】
外科では、胆石胆のう炎、鼠経ヘルニア・結腸癌に対する手術を腹腔鏡手術を中心に数多く行っています。
大腸・結腸の手術はほとんどを腹腔鏡手術で行っています。結腸癌に対しては2024年10月からロボット支援下手術も導入しています。胃・小腸も腹腔鏡手術を積極的に導入しています。手術に関してはその他に他診療科と連携して診断・治療することができるため、他の領域のがんを合併している場合や心筋梗塞・腎不全等の合併症を有する場合にも対応可能なことが大きな強みです。消化器外科医減少が昨今報道される中、当院は手術治療に対応できる環境にあります。

■ 整形外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
K0461骨折観血的手術(大腿)2062.9615.3181.5580.40
K1422脊椎固定術、椎弓切除術、
椎弓形成術(後方又は後側方固定)
1305.8121.5782.3175.12
K0811人工骨頭挿入術(股)1113.5515.3895.5084.97
K0462骨折観血的手術(前腕)983.028.7735.7161.72
K0821人工関節置換術(股)552.9815.0580.0074.31

【解説】
整形外科では四肢の骨折、脊椎・関節の変形・骨折に対する手術を多く行っております。高齢者による転倒や転落による受傷が多く、高齢による骨粗鬆症も要因の一つです。交通事故外傷などによる高度な脊髄損傷、胸腰椎骨折、四肢の骨折、関節内骨折・関節変形などの救急手術にも対応できるよう専門医と連携し、24時間の救急体制をとっています。
脊椎・脊髄疾患に対する手術は(脊椎固定術・内視鏡下手術など)は年間300件以上行っています。頭部から骨盤まで前方・後方とありとあらゆるアプローチで手術を施行しています。また、ナビゲーションシステムを導入し立体的な高精度の脊椎3D-CT画像とともに術中インプラントをより正確に安全に挿入することが可能となりました。
関節に関しては、先天性の高位脱臼関節の原臼位置での人工関節手術、またその再置換術、人工関節術後のインプラント周囲骨折、術後の感染などの難治症例に対して積極的に手術を施行しております。
手の外科では手関節周囲の疾患に対して、TFCC損傷・CM関節症・手根骨骨折後の後遺症などに関して保存的な治療で回復していない症例に対して、関節鏡を加えた外科的手術で加療しています。
整形外科の疾患に関しては専門書一冊を網羅するぐらいの症例数です。様々な診療科と連携を取り、高度で専門的な治療を施行できるのが当科の強みです。

※なお、労働災害や自動車損害賠償保険を使用した手術件数の実績は表には含まれておりません。

■ 形成外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
K0301四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹)281.003.640.0059.00
K333鼻骨骨折整復固定術251.361.240.0031.76
K016動脈(皮)弁術、筋(皮)弁術1921.8444.2147.3768.26
K0151皮弁作成術、移動術、切断術、
遷延皮弁術(25cm2未満)
130.852.460.0044.38
K0152皮弁作成術、移動術、切断術、
遷延皮弁術(25~100cm2未満)
133.3112.850.0061.62

【解説】
形成外科手術は脂肪腫、粉瘤などの皮膚良性腫瘍に対する摘出手術が最も多く、顔面骨折の手術や眼瞼下垂も多く行われています。
その他、皮膚悪性腫瘍切除や切断された指の再接合手術、手術や怪我の自然治癒後に発生する拘縮(ひきつれ)に対する瘢痕形成手術、皮膚損傷、熱傷に対する植皮術、動脈皮弁や筋皮弁術等も行っており、乳がんや頭頚部がんにおいては自家組織を用いた遊離皮弁術も行います。
※なお、労働災害や自動車損害賠償保険を使用した手術件数の実績は表には含まれておりません。

■ 脳神経外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
K164-2慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術201.7516.9550.0081.35
K1742水頭症手術(シャント手術)
K1771脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所)
K1642頭蓋内血腫除去術(開頭)(硬膜下)
K1692頭蓋内腫瘍摘出術(その他)

【解説】
慢性硬膜下血腫は頭部打撲後やアルコールをよく飲まれる方、高齢者に多く見られ、高齢化の影響で近年増加傾向にあります。
認知症、頭痛や片麻痺などの出現が見られます。タイミングを逸することなく治療が行われると完治しやすい病気になりますので、高齢者で頭部打撲後や転倒歴がある方で上記症状がある方は病院受診をお勧めします。
脳動脈にできたこぶに対してはクリッピング術を行い、手術をすることにより脳動脈瘤の破裂、くも膜下出血のリスクを下げることができます。このほかにも脳腫瘍摘出術や水頭症手術、経皮的脳血栓回収術、開頭血腫除去術等も手術できる体制が整っております。

■ 呼吸器外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
K5131胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)442.844.610.0036.20
K514-23胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術
(肺葉切除、1肺葉超・手術用支援機器使用)
401.2810.102.5069.63
K514-22胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術
(区域切除)(内視鏡手術用支援機器使用)
301.138.130.0071.23
K514-21胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除)231.097.130.0072.83
K496-2胸腔鏡下醸膿胸膜又は胸膜胼胝切除術125.5815.516.6762.33

【解説】
呼吸器外科では、主に肺がん手術で完全鏡視下手術を行っており、肺がん手術は年間120件以上施行しております。
また2021年6月より肺がんに対するロボット支援下手術(ダビンチ手術)を行っており、2024年度は肺症例は32例、縦隔症例は13例施行しております。
ロボット支援下手術の利点は3D拡大視野のもと、手ぶれを補正する精緻で関節可動域の広い鉗子で、これまでは開胸手術でしかできなかった難易度の高い手術も可能となります。特に胸腔鏡では困難な縫合にはその威力を発揮し、気管支を切って繋げる気管支形成術などにも適応を拡大しています。
さらに当科では胸腔鏡手術も単孔式胸腔鏡手術を導入し、より患者さんに負担の少ない低侵襲手術も開始しました。ロボット手術もポートの数を3個または2個に減らして行う低侵襲化を進めています。
その他、気胸・膿胸・胸部外傷・縦隔腫瘍などの手術・治療にも力を入れております。

■ 血管外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
K616四肢の血管拡張術・血栓除去術441.302.3011.3676.77
K617-4下肢静脈瘤血管内焼灼術210.001.144.7665.00
K620下大静脈フィルター留置術

【解説】
血管外科では主に閉塞性動脈硬化症に対して血管内治療(カテーテル治療)を4日間のクリニカルパスを用いて安全かつ効率的に行っています。
また、下肢静脈瘤に対して血管内レーザー焼灼術を日帰りまたは1泊で行っています。
その他にも下肢静脈瘤血管内塞栓術も可能となっています。病状次第ですが、早期の日常生活への復帰を考えています。
2025年3月31日をもちまして、血管外科を閉診いたしました。

■ 頭頸部・耳鼻咽喉科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
K3772口蓋扁桃手術(摘出)841.005.290.0022.05
K340-6内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術)441.004.140.0050.50
K340-5内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型
(選択的(複数洞)副鼻腔手術)
271.003.960.0049.04
K327内耳窓閉鎖術245.047.080.0061.42
K347-5内視鏡下鼻腔手術1型(下鼻甲介手術)221.004.004.5547.18

【解説】
頭頸部・耳鼻咽喉科では、慢性扁桃炎に対する口蓋扁桃摘出手術を最も多く施行しています。
慢性副鼻腔炎に対する手術は、全身麻酔下に内視鏡を使ってテレビモニターで観察しながら鼻内の手術として行っております。
声帯ポリープや喉頭腫瘍などに対して顕微鏡を用いて切除術を行っております。
また、外リンパ瘻に対し内耳窓閉鎖術、中耳炎に対して鼓膜形成術や鼓室形成術も行っています。頭頚部がんに対する手術も行っております。

■ 脳神経内科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
K664胃瘻造設術(経皮的内視鏡)128.7528.5883.3377.67
K7211内視鏡的大腸ポリープ・
粘膜切除術(長径2cm未満)
K147-2頭蓋内モニタリング装置挿入術
K178-4経皮的脳血栓回収術
K154-3定位脳腫瘍生検術

【解説】
長期的な神経疾患の患者さんに対し、胃瘻造設術や気管切開術を行っております。
多数の診療科と連携することで総合的な医療を提供しています。

■ 泌尿器科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
K8036イ膀胱悪性腫瘍手術
(経尿道的手術)(電解質溶液利用)
971.274.272.0674.99
K843-4腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術
(内視鏡手術用支援機器を用いる)
571.007.601.7571.60
K7811経尿道的尿路結石除去術(レーザー)291.484.076.9066.45
K841-5経尿道的前立腺核出術281.075.930.0071.25
K783-2経尿道的尿管ステント留置術220.1410.6422.7379.95

【解説】
泌尿器で特に手術が多く行われているのは悪性腫瘍手術(前立腺・膀胱・腎)です。
前立腺・膀胱・腎の悪性腫瘍手術は腹腔鏡下で手術することにより開腹で手術するより傷が小さく入院期間も短く退院することができます。
また、2021年1月からロボット技術(ダビンチ)を導入し前立腺癌、腎癌、膀胱癌に対してロボット支援下手術を行っております。このほかにも前立腺肥大症・尿管結石症等も手術の多くみられます。検査から手術まで一貫した治療ができ、県内(離島を含む)の医療機関から手術目的の紹介を多く受けております。

■ 産科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
K8981帝王切開術(緊急帝王切開)496.987.352.0431.76
K8982帝王切開術(選択帝王切開)188.446.890.0034.28

【解説】
正常分娩はもちろん、早産や高齢出産などリスクの高い分娩にも対応している点が大きな特徴です。
また、母体及び胎児の状況で緊急時の帝王切開も対応しています。
●産科は2025年7月31日をもって分娩休止し、現在は一時休診となっております。

■ 消化器内科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
K721-4早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術670.934.030.0069.84
K688内視鏡的胆道ステント留置術461.638.138.7077.35
K6532内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 
早期悪性腫瘍十二指腸粘膜下層剥離術
380.006.052.6372.37
K664胃瘻造設術(経皮的内視鏡)361.006.8977.7879.86
K654内視鏡的消化管止血術340.569.7923.5370.74

【解説】
消化器内科の特徴は、消化器領域の内視鏡に関する全ての検査【上・下部内視鏡検査、カプセル内視鏡・ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査)・肝炎ウイルス精査など】と治療【肝臓・胆のう・膵臓疾患に対する高度医療、早期がんに対するESD(内視鏡切除術)など】が挙げられ、その他にも放射線科、病理診断科、外科と連携し治療を一貫して行うことができることも強みです。
地域がん診療連携拠点病院として、質の高いがん医療の提供を行っており当科では専門医が超音波内視鏡検査など高度の画像診断技術を用い、がんの早期発見・治療に努めております。他科疾患合併症を有するリスクの高い患者さんや緊急処置を必要とする患者さんの緊急治療も行っており、外来では離島を含め県内各地の多数の医療機関と病診連携をとっています。

■ 新生児内科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率
(%)
平均
年齢
患者用
パス
K9131新生児仮死蘇生術(仮死第1度)400.0029.302.500.00
K9132新生児仮死蘇生術(仮死第2度)

【解説】
新生児内科では、新生児仮死蘇生術を行っております。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC傷病名入院契機症例数発生率
(%)
130100播種性血管内凝固症候群同一
異なる

18

0.21
180010敗血症同一
異なる

16

0.19
180035その他の真菌感染症同一
異なる


180040手術・処置等の合併症同一
異なる
50
0.58

【各疾患の概要】
DIC(播種性血管内凝固):血液が全身で異常に固まりやすくなったり、逆に止まりにくくなったりする状態です。重い感染症などに伴って起こります。
敗血症:細菌などの感染が全身に広がり、発熱や血圧低下を引き起こす命に関わる状態です。早期の対応が大切です。
真菌症:カビの仲間による感染症です。体の抵抗力が弱ったときに起こりやすく、肺や皮膚などに影響します。
手術・術後の合併症:手術のあとに起こる続発症で、出血や感染、肺炎などがあり、注意深い経過観察が必要です。

【解説】
入院契機疾患と退院時(請求時)疾患が異なる背景には、入院中に基礎疾患が重症化し、播種性血管内凝固症候群や敗血症を併発することが挙げられます。本集計は、「医療資源を最も投入した傷病名」(請求病名)を基準としているため、実際の症例数や発生率とは必ずしも一致しない点にご留意ください。
今回分析した「180040 手術・処置等の合併症」は「手術や処置・検査後に生じる疾患」を差し、医療事故や過誤とは区別されます。
50件の症例を検討した結果、当院で実施した手術や処置等に関連する合併症が35件、他院にて実施した手術や処置等に関連する合併症に対する治療目的紹介症例が15件でした。
当院・他院施行分ともに最も多い合併症は、感染症で18件(全体の36%)、次いで人工股関節置換術後脱臼5件でした。
これらの合併症は、糖尿病など基礎疾患を有する患者さんや転倒リスクの高い高齢者に生じやすい傾向があります。
そのため、当院は手術等の実施前に、想定される合併症やリスクについて患者さんやご家族へ十分に説明し、理解を得たうえで治療を進めています。

医療の質指標

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

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肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1,2901,21994.5%

【肺血栓塞栓症とは】
足や下半身などにできた血液のかたまりである血栓が、血流に乗って肺の血管につまり、胸痛・呼吸困難・循環不全などをきたす病気を総称して呼んでいます。

【解説】
中リスク以上の手術とは、例えば整形外科の大手術(脊椎固定手術や股関節・膝関節置換術)、胸腹部の長時間手術などが該当し、患者の年齢、既往歴(がん、肥満、静脈血栓症の既往など)も加味して総合的にリスク評価されるものです。
日本では、中リスク以上の手術患者に対する予防対策の実施率は90%以上と高水準で維持されており、予防対策は、日本循環器学会などが発行する2025年改訂版ガイドラインに基づいています。
当院では、肺血栓塞栓症の予防対策の実施率は94.5%でした。

血液培養2セット実施率

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血液培養オーダー日数(分母)血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
2,0131,86892.80%

【定義】
本項目は、細菌培養同定検査の血液培養が1日2回以上(2セット)以上提出した実施率の指標です。

【解説】
血液培養は適正な診断と治療に重要な検査です。病原体の検出を高めることや細菌混入による汚染菌の判断ために血液培養の2セット採取が推奨されています。当院の2セット実施率は、92.8%です。
新生児内科や小児科診療では、1セット採取となるため実施率100%に至っていないと考えます。院内の感染対策チーム・抗菌薬適正使用支援チームのカンファレンスでは、血液培養陽性患者の監査を行い適正な培養採取と適正な治療を推進しています。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

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広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
73352070.94%

【定義】
抗菌薬のなかで、広域スペクトル抗菌薬を使用した時の細菌培養実施率を次の式で算出しました。
(分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者/広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数)×100

【解説】
広域抗菌薬とは多くの種類の細菌に効果を発揮する抗菌薬を指します。過剰に使用すると薬剤耐性菌が拡大します。広域スペクトル抗菌薬使用時は細菌培養を行い、検出された菌に焦点を絞って薬剤を変更することが抗菌薬の適正な使用に繋がります。つまり、抗菌薬の適正使用において細菌培養の実施はとても重要です。
当院では広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率が70.94%です。院内感染対策チーム(Infection Control Team:ICT)と抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)の取組みで積極的な細菌培養を推進し、抗菌薬の適正使用に努めています。

転倒・転落発生率

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退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
107,5182512.33‰

【解説】
転倒・転落発生率は千分率で表記しており、1000名に対し約2名の転倒・転落が発生していることを意味しています。
当院の転倒・転落発生率は、2024年度の「医療の質の可視化プロジェクト」の全国平均値3.27‰を下回っています。転倒・転落を完全に防ぐことはできないため、外傷を負うようなことができるだけないように、多職種ワーキンググループで行う定期的なラウンドや会議、転倒転落予防指導士の育成、TQM(トータルクオリティマネジメント)発表、日本転倒予防学会での発表、院内発表等を通して、職員への情報共有を行い、対策を実践することで、転倒・転落を発生させないための取り組みを推進しています。

転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率

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退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率

退院患者に発生したインシデント影響度分類レベル3b以上の転倒・転落の発生件数(分子)が10 件未満のため、分母、分子、割合の全ての項目で「-」を表示しております。

【解説】
集計対象期間中、入院患者の転倒・転落によるレベル3b以上の傷害(骨折等)は10件未満(0.065%)であり、全日本民医連QI委員会2023年報告の中央値(0.10%)を下回る結果となりました。
入院前面談時より、看護師が転倒・転落危険度を評価し、口頭で履き物の注意点などの具体策等を説明し、入院時・入院中にも転倒・転落危険度を評価しています。病室には全ての扉に履き物に関するポスターを掲示するなどして、注意喚起を行っています。
また、転倒リスクの高い患者は各勤務帯毎に観察・記録を行いながら環境を整え、転倒・転落による傷害が発生しないよう取組みを推進しています。

手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

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全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
2,4892,489100%

【解説】
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率は100%となりました。
手術執刀1時間以内に、適切な抗菌薬を投与することで、手術後の手術部位感染を予防し、入院期間の延長を抑制することができます。

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率

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退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
106,2211120.11%

【解説】
当院でのd2(真皮までの損傷)以上の褥瘡(床ずれ)の発生率は 0.11%でした。
万が一院内発生した場合にも、早期に対応できるよう体制を整えています。

65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合

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65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
5,2995,24699.00%

【解説】
当院では入院時より医師・看護師・薬剤師・リハビリスタッフと情報を共有し、入院時スクリーニングシートを電子カルテに組込み、栄養管理計画書作成時に迅速に病棟担当の管理栄養士が介入出来る体制や各病棟でのカンファレンスを通じた情報共有体制を整えています。
また入院前からも栄養リスクのある患者さんについてPFM(入退院支援部門)と連携して確認や介入を行い、救急入院時にも早期から多職種で協働することでスクリーニングからアセスメントまで円滑に進められた結果と考えます。
スクリーニング内容も栄養・摂食嚥下チーム職員の意識向上によりアセスメントに繋げることができました。引き続き仕組みなどの体制向上と職員の意識向上、アセスメントの質を高めることでより早期から適切な栄養介入へ繋げる取組みを推進させてまいります。

身体的拘束の実施率

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退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
104,1662,9522.80%

【解説】
身体的拘束の実施率は2.8%となりました。
当院は2024年10月より身体的拘束最小化チームを立ち上げ活動しています。
身体的拘束を原則行わない方針(対象者や他の人の生命・身体に危険が及ぶ可能性が著しく高い状況で、他の代替手段がない場合に限り)のもと、最小化に努めており現場の職員が意識を持てるよう実施率を各部署へ毎月フィードバックしています。

更新履歴

2025/09/29 いまきいれ総合病院 令和6年度 病院情報を公開しました。