診療科紹介

呼吸器内科では部長の岩川を始め、入來、亀之原、里薗の4人体制で、専門医としての自覚を持ってサービスを提供し、患者さん、周囲の医療者から選ばれる呼吸器内科を目指し、日々診療を行っております。

主な対象疾患と治療法

肺癌・胸部悪性疾患

当科で診療を行う胸部悪性疾患の殆どは肺癌でありますが、胸腺癌、浸潤性胸腺腫、悪性中皮腫も診療しています。毎週水曜日に呼吸器外科、放射線科、病理診断科とのカンファレンスを行い、最も適切な診断・治療方法について協議しています。胸部X線やCTなどの画像診断、気管支鏡検査などにより診断を確定し、患者さんには通常病名を告知し、患者・家族の希望や意向を考慮し治療方針を決定しています。 

 内科領域では化学療法(抗癌剤による治療)が中心となりますが、同時に鎮痛などの緩和治療も併行して行っています。外来化学療法も積極的に行い、患者さんの負担を軽減するように努めています。

肺炎、呼吸器感染症

 肺炎については、日本呼吸器学会や感染症学会の市中肺炎ガイドライン、医療・介護関連肺炎ガイドライン、院内肺炎ガイドラインを準拠して、診断・治療を行っております。肺炎球菌ワクチン接種も、適応患者には積極的に行っております。

 肺結核症については、当院には結核病床がないため、外来での診療が主となります。肺結核症が疑われる入院患者には、院内感染防止の観点から、個室や当院で1床しかない陰圧個室に排菌が否定されるまで入室してもらっております。

 肺非結核性抗酸菌症は、中年以降の女性の患者が多くなっており、治療を行っても治癒が困難な例が多く、また、治療の副作用もあり、治療に難渋することが少なくありません。治癒の方向に持っていければよいのですが、少なくとも症状緩和・病状改善を目標に、外来を主として治療を行っております。

 肺真菌症患者は多くはありませんが、陳旧性肺結核や肺気腫、肺癌などの肺基礎疾患に合併症として発症する場合があり、診断および治療を慎重に行っております。

気管支喘息

 鹿児島県は、人口あたりの喘息死が最下位は脱しましたが未だ全国と比較して悪く、当科でも喘息死ゼロを目指して鹿児島気管支喘息研究会の協力病院(拠点病院)として活動しています。吸入ステロイドを中心とした治療でコントロール不良な喘息患者が減少し、実際、当院で喘息患者の救急外来受診・緊急入院の数が減っているようです。

間質性肺炎、びまん性肺疾患

 原因が明らかでない特発性肺線維症や特発性間質性肺炎、続発性の膠原病関連間質性肺炎や過敏性肺臓炎、薬剤性肺炎などが頻度として多いです。精査として詳細な病歴聴取や血液検査、画像検査、気管支鏡検査を行いますが、診断に苦慮する症例も少なくなく、外科的肺生検を行う場合もあります。さらに、治療においては、特発性では特効薬がなく、続発性でもステロイド剤および免疫抑制剤を併用しても難渋する症例が多いです。また、急性増悪例は、非常に予後不良であります。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性呼吸不全 喫煙歴や職業歴などの生活歴を含む病歴、肺機能所見、画像所見などから診断を行い、病状に適した治療を選択し、呼吸リハビリテーションや薬物治療、禁煙指導を行っています。慢性呼吸不全となれば、在宅酸素療法の導入や非侵襲的陽圧換気療法(鼻マスク式人工呼吸器)も使用しています。

所属医師

副院長/部長
岩川 純
呼吸器内科
[資格・所属学会等]
日本内科学会総合内科専門医、指導医
日本呼吸器学会呼吸器専門医、指導医
日本がん治療認定機構がん治療認定医
Infection control doctor
抗酸菌感染症専門医、低線量CT検診専門医
緩和ケア研修修了医
医学博士(鹿児島大学)
岩川 純
科長
松田 浩子
呼吸器内科
[資格・所属学会等]
科長
亀之原 佑介
呼吸器内科
[資格・所属学会等]
日本呼吸器学会呼吸器専門医
日本内科学会認定内科医
日本内科学会総合内科専門医
緩和ケア研修修了医
内田 浩子
呼吸器内科
[資格・所属学会等]
日本内科学会内科専門医
緩和ケア研修修了医
鶴薗 健太郎
呼吸器内科
[資格・所属学会等]
緩和ケア研修修了医
非常勤医師
入來 豊久
[資格・所属学会等]
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本呼吸器学会呼吸器専門医、指導医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本肺がんCT検診認定機構肺がんCT検診認定医師
日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医
医学博士(熊本大学)、緩和ケア研修修了医

専門外来(第1・3土曜)

外来担当表

肺がん登録事業について

 日本肺がん学会、呼吸器外科学会、日本呼吸器学会は協同して肺癌登録合同委員会を設け、肺癌の発生や予後にかかわる因子を明らかにし、よって肺癌の予防、診断、治療の向上に寄与することを目的として日本での肺癌症例の登録、解析業務を行っています。
 今年度は内科症例に対する調査を実施しており、当院 呼吸器内科も登録事業に参加しております。
 症例の登録について皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 肺癌登録合同委員会ホームページ http://haigan-touroku.jp/