循環器内科

 当科は、鹿児島大学 心臓血管・高血圧内科学(旧第一内科学)教室出身の4名の医師で構成されています。循環器疾患の外来・入院診療、他科から依頼される術前精査および心疾患精査、救急患者の対応を経胸壁・経食道心エコー、頚動脈エコー、下肢動静脈エコーなどの超音波検査、運動・薬物負荷心筋シンチグラム、冠動脈CTを駆使し生理検査室や放射線科と連携して多様で質の高い診療をこなしています。
 医師スタッフは、部長(院長兼任):濱崎秀一、部長:有馬 良一、部長:志岐健三郎、医師:松本 紀彰の4名が常勤医として勤務しています。非常勤医師として濱田成郷医師が心筋シンチ担当で勤務していますが、その他ローテーションによる研修医も加わり、外来・病棟の診療を行っています。超音波検査は心エコーのみならず、令和2年4月に設立された血管外科からのオーダーも加わり増加傾向が著しい血管エコー検査も精力的にこなしています。
 丁寧で誠実な診療を心がけています。

主な対象疾患と治療法

外来診療

 外来診察は4名の医師が新患・再来を曜日変わりで担当しています。2019年の平均外来患者数は、1日あたり40~60名でしたが、外来患者さんについては待ち時間短縮のために予約制をとり丁寧な診療を心がけています。
 対象疾患としては、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病、狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患、拡張型心筋症や弁膜症ならびに陳旧性心筋梗塞などを基礎疾患とした慢性心不全、心房細動・心房粗動、上室性頻拍症、症候性徐脈などの不整脈疾患、弁膜症、下肢閉塞性動脈硬化症 (ASO)や深部静脈血栓症(DVT)などの下肢血管疾患、さらには大動脈解離などの救急対応まで循環器疾患全般の診察や治療を行っています。
 冠動脈疾患の精査については、冠動脈造影CT診断が放射線部スタッフの努力により画像解析が迅速化し、従来よりも大量かつ詳細な画像診断が可能になりました。併せて心筋シンチグラムなどの核医学検査を放射線科医師と協同して行うことで診断の精度が向上しています。

入院診療

 最も多い症例は、急性心不全および慢性心不全急性増悪です。救急搬送されるケースも多数認めます。うっ血性心不全の傾向としては、心房細動合併症例が多く、心不全症例の20~30%に合併しています。また中等度以上の僧帽弁閉鎖不全や大動脈弁狭窄症を基礎疾患とするうっ血性心不全も目立ってきています。2019年の肺血栓塞栓症と深部静脈血栓の入院症例は各々10例前後で、ペースメーカー植え込み術は月に平均1~2例に施行されました。

循環器内科関連の検査(外来入院併せて)

心エコー:3125件、下肢静脈エコー:467件、下肢動脈エコー:23件、頚動脈エコー:254件、ホルター心電図:235件、エルゴメーター負荷心電図:37件、マスター運動負荷心電図:96件、ABI検査:382件、 冠動脈MDCT:111件、心筋シンチ:83件

所属医師

院長・部長
濱崎 秀一
循環器内科
虚血性心疾患
冠動脈生理学
[資格・所属学会等]
【資格】
日本循環器学会循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会名誉専門医
日本内科学会認定内科医
日本心臓病学会上級臨床医、難病指定医
医学博士、緩和ケア研修修了医
【所属学会】
日本内科学会、日本循環器学会、日本心臓病学会
日本心血管インターベンション治療学会
日本心血管画像動態学会、日本循環制御医学会
濱崎 秀一
部長
有馬 良一
循環器内科
[資格・所属学会等]
日本内科学会認定内科医
日本循環器病学会循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
緩和ケア研修会修了医
部長
志岐 健三郎
循環器内科
[資格・所属学会等]
【資格】
日本内科学会総合内科専門医
日本循環器学会循環器専門医
医学博士、緩和ケア研修修了医
【所属学会】
日本内科学会、日本循環器学会、日本老年医学会、
日本心エコー図学会
科長
手塚 綾乃
循環器内科
[資格・所属学会等]
日本循環器学会循環器専門医
日本内科学会認定内科医

専門外来

ペースメーカー外来 (第3金曜午後)

 ペースメーカーの植え込みを行った患者さんは、半年~1年に1回程度のペースメーカーチェックが必要です。定期的なチェック以外にも動悸やめまいなどの症状があった場合にもチェックを受けることをお勧めいたします。ペースメーカーのチェックを行う目的は、ペースメーカーが設定どおりに作動しているかどうかの確認をすることとバッテリーの残量を調べることです。作動が不適切な場合には設定を変更する場合があります。バッテリーの残量が少なくなってきている場合にはペースメーカー自体の交換のための入院予約を組ませていただきます。
 受診の際にはペースメーカー手帳を必ずご持参ください。

生活習慣病の二次検診(通常診療日内)

 生活習慣病とは糖尿病、高血圧症、脂質異常症、肥満、高尿酸血症など、食事・運動・喫煙・飲酒などの生活習慣がその発症と進行に深く関与している病気の総称です。生活習慣病は自覚症状が殆どないために気づかないうちに進行し、ある日突然、狭心症や心筋梗塞、脳卒中など生命にかかわる病気を引き起こします。そうならないためにも早いうちから生活習慣を見直し予防を図る必要があります。健診や人間ドックで高血圧、高血糖、悪玉コレステロール・中性脂肪・尿酸値が高いなど指摘された方を始め、肥満傾向や血圧が高めになってきた方などを対象とした専門外来です。

外来担当表

医療機関の先生、患者さまへ

 令和2年4月から当院で新たに血管外科が立ち上がりました。主として閉塞性下肢動脈硬化症、下肢静脈瘤、下肢静脈血栓症の診療をすでに開始しています。循環器内科との連携も進行中です。
 循環器内科、血管外科、皮膚科、形成外科、整形外科の連携を視野にいれて下肢動静脈疾患・リンパ管疾患に対して総合病院の強みを発揮したフットケアも行える脈管治療センターを令和3年1月から新病院でスタートします。

認定施設

日本循環器学会循環器専門医研修関連施設