2021年10月15日

看護師特定行為研修

10月1日待ちに待った、いまきいれ総合病院看護師特定行為研修が始まりました。看護師特定行為とは、医師の包括的指示のもとに行われる診療の補助であり、今後さらに高齢化が進む我が国において急性期医療から在宅医療を支えるために非常に重要な役割を果たすものと考えられます。実際に国は団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、約10万人以上の特定行為研修修了看護師の養成を目指し、より多くの看護師が身近な場所で研修を受けられる体制の整備を進めています。

いまきいれ総合病院も、2021年1月1日に高麗町に分離新築移転するにあたり、質の高い急性期医療を通して地域に貢献するという目的を達成するために、看護師特定行為研修を開始する準備を進めてきました。そして2021年度は、私たちの病院だけではなく、鹿児島県全体にとっても必要性が高いと思われる術中麻酔管理領域パッケージ:6特定行為区分と8特定行為を開設し、地域医療・看護に貢献する特定看護師の育成に努めます。

手術室パッケージ

6特定行為区分:
呼吸器(気道確保に係るもの関連)、呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連、動脈血液ガス分析関連、栄養及び水分管理における薬剤投与関連、術後疼痛管理関連、循環動態に係る薬剤投与関連

8特定行為:
経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整、侵襲的陽圧換気の設定の変更、人工呼吸器からの離脱、直接動脈穿刺法による採血、橈骨動脈ラインの確保、脱水症状に対する輸液による補正、硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与および投与量の調整、持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整

10月1日の開講式では、理事長、院長、看護部長に加え、研修責任者と関連スタッフも出席し、5名の受講者を迎えての開催となりました。まず理事長から受講者に対し、看護師特定行為研修の意義と受講者への期待・励ましの挨拶があり、引き続き院長、看護部長、研修責任者の挨拶が行われました。そして5名の受講者がそれぞれに特定行為研修に寄せる思いや決意を述べた後、濱崎院長から受講証が渡され式を終了しました。

今年度の受講者は、院内の手術室看護師4名、HCU看護師1名で、それぞれに臨床経験は異なるものの、特定行為研修を通して自分自身のキャリアアップだけではなく、より質の高い看護を通して地域医療に貢献したいという強い決意の受講者ばかりです。当院としては、その決意や熱い想いに答えられるように、研修指導者の教育体制だけではなく、研修環境の充実も含め特定行為研修体制を充実させていきます。そして来年度以降、他の施設からもたくさんの受講者を迎えられるように準備を進めていく予定です。

看護師特定行為研修責任者 医師 大瀬克広