診療科紹介
病理診断科では、現在病理組織診断・術中迅速診断・細胞診・病理解剖を主たる業務として行っています。
2023年度診療実績
組織診断 | 3,145 |
術中迅速組織診断 | 152 |
細胞診 | 2,475 |
術中迅速細胞診断 | 68 |
免疫染色(院内) | 440 |
遺伝子等特殊検査 | 302 (院内実施:0) |
病理解剖 | 2 |
CPC | 1 |
院外組織診断受託 | 107 |
院外免疫染色受託 | 2,168 |
院外遺伝子検査受託 | 0 |
所属医師
日本病理学会病理専門医、研修指導医
日本臨床細胞学会細胞診専門医、指導医
死体解剖資格 認定医
博士(医学) 鹿児島大学

日本専門医機構病理専門医
日本病理学会病理専門医/研修指導医
日本臨床細胞学会細胞診専門医/指導医
死体解剖資格認定医
博士(医学) 鹿児島大学
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科臨床教授
日本病理学会病理専門医
日本病理学会認定分子病理専門医
日本臨床細胞学会細胞診専門医
死体解剖資格認定医
日本検査医学会臨床検査管理医
博士(医学) 鹿児島大学
病理課スタッフ
森永 尚子(臨床検査技師、国際細胞検査士)
有村 郷司(臨床検査技師、細胞検査士)
瀨川 千春(臨床検査技師、細胞検査士)
末貞 加代子(臨床検査技師)
久保 星来(臨床検査技師)
西村ゆかり(医療クラーク)
認定施設
日本病理学会 認定病理制度登録施設
日本臨床細胞学会 認定施設
当院病理の歴史など
歴史
当院の病理部門の開設は昭和57年で病理診断の報告書は昭和63年より記録が残っており、(故)佐藤榮一鹿児島大学名誉教授のご指導のもと運営されて来ましたが、現在でも鹿児島大学医学部病理学教室の御指導のもと常勤病理医1名、非常勤医師、および5名のスタッフにて運営されております。
“病理”とは?
“病理”といってすぐに何をしているのか解る方はほとんどいないでしょうね。
病理医は患者さんを診察することもありませんし、病理の部屋から出るのはトイレの時ぐらいです。
しかも、認定病理医(病理を専門とする医者)は鹿児島に約30名、全国でも2000人強しかいないのですから。
学問での病理学には大きく二つの側面があります。
一つは大学や研究機関などで主として行われている研究の分野で、病気の原因は・どの様にして病気になるのか・どの様に変化するのかなどを調べます。
また、もう一つの側面は外科病理とも呼ばれ、手術などでとられた臓器を調べ、病名や進行度合などを調べます。
外科病理にはその他に、病理解剖があります。
これらのことを、主に顕微鏡標本を使って行っていくのが病理学の特徴です。
なお当院病理部では後者の外科病理を中心に行っております。
病理診断組織とは
たとえば、皆さんが胃の調子が悪くて胃カメラを受けますね。
その際、もしおかしなところが見つかると、マッチ棒の頭くらいの組織をとって検査します。
その組織を顕微鏡標本を見て、癌であるかないのかとか胃炎の程度はどれぐらいなのか等を診断します。
また、胃癌で手術を受けられた場合、その癌が進行癌であるのか早期癌であるのかなどの詳細な検査を行います。
術中迅速診断
病理診断は顕微鏡標本で行うのが普通ですが、標本を作るのにはどんなに急いでもまる一日ぐらい時間がかかります。
ところが、手術中に癌をちゃんととりきれているかどうかとか、緊急手術で正確な診断がついてないときなどに良悪性だけでもわからないと手術の方法が変わってしまうときなど標本が出来上がるのを待っていられない場合があります。
そこで、短時間にある程度の診断をつけるために行います。
簡易に作る標本(通常、標本作製の過程で検体を凍らせますのでfrozenと呼んでます)で診断しますので、正確な診断を下せないこともありますが・・・
細胞診
比較的簡単に診断をするための手段の一つです。
病理組織診断では組織を検査するので、身体の一部をとらなければなりません(通常、組織をとるためには出血するので観血的検査とも呼ばれます)。
患者さんの負担を少しでも軽くするために、たとえば痰や尿など簡単にとれるものに含まれている細胞を検査して診断します。
良悪性の判定には非常に有用ですが、病気の進行度合などはわからない場合が多いのが欠点です。
病理解剖
法律できめられた解剖には
・ 系統解剖 (大学で行われる学生の教育のための解剖)
・ 病理解剖 (後述)
・ 行政解剖 (伝染病予防など行政処置が必要と推定される場合)
・ 司法解剖 (犯罪行為の立証のため)
の4種類あります。
病理解剖とは病気でなくなられた方の御遺体を詳しく調べ、生前の診断・治療は適切であったか、直接の死因は何だったのかなどを詳しく調べ、今後の医療に役立てていくためのものです。
病理解剖を行うためには御遺族の承諾が必要です。
今後の医学・医療の発展のためにも御協力をお願いいたします。
免疫染色の受託
現在の病理診断では免疫染色は必須のものとなってきております。
現在は機械化が進み比較的容易に実施できるようになっておりますが、今尚専門的知識が必要な分野です。また日々新しい抗体(検査項目)が追加され、コストの問題もあり各病院や検査センターで実施するにはハードルが高い検査となっています。
当院は公益法人でもあるため院外(近隣病院病理部門や検査センター)からの受託を行っています。