診療科紹介
当院は地域がん診療連携拠点病院であり、当科においても質の高いがん医療の提供に努め、がんの早期発見治療に積極的に取り組んでいます。また、離島を含め県内各地、多数の医療機関と病診連携をとり、地域医療にも力を入れています。
当科には日本消化器内視鏡学会認定指導医3名、専門医3名、7名の専属スタッフ(すべて日本消化器内視鏡学会認定内視鏡技師:7名)が常勤し高度の内視鏡検査治療が可能となっています。
消化管内視鏡診断では、拡大内視鏡、Image Enhanced Endoscopy(画像強調観察)、超音波内視鏡などを駆使して、高度の内視鏡診断を行っています。消化管内視鏡治療については、主に早期がんに対して、食道、胃、十二指腸、大腸のESD(粘膜下層剥離術)を行っており、新病院移転後は、手術室も拡張されることから、耳鼻科と合同で、咽頭ESDの準備も進めています。
胃などの消化管粘膜下腫瘍や膵腫瘍、腫大したリンパ節などに対してEUS-FNA(超音波内視鏡下生検〜穿刺吸引細胞診)を行い、組織診断を行うことで、治療方針決定に役立てています。
胃粘膜下腫瘍などに対して消化器外科と合同で、LECS(腹腔鏡内視鏡合同手術)も行っております。胆膵領域では、超音波内視鏡やEUS-FNA、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査)を用いて、積極的に診断、治療に取り組んでいます。
2021年1月の新病院への移転に伴い、最先端の消化器内視鏡装置をさらに充実させました。
肝疾患については、肝細胞がん、肝硬変、B型・C型をはじめとするウイルス性肝炎、自己免疫性肝疾患、非アルコール性脂肪肝炎、アルコール肝障害、薬物性肝障害などの診療を行っています。肝細胞がんに関しては、外科や放射線科と連携し、RFA(ラジオ波焼灼療法)、TACE(肝動脈化学塞栓療法)、薬物療法(分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤)、放射線治療を病態に応じ適宜組み合わせながら集学的治療を行っています。C型慢性肝炎・肝硬変に対しては、治療効果の高いDAA(直接作用型抗ウイルス薬)による抗ウイルス療法を積極的に行っています。B型慢性肝炎・肝硬変に対しては核酸アナログ製剤を中心とした治療を行っています。
また、当院では、外来化学療法室を拡充し、消化器系の癌に対しても、専門ナースや薬剤師など多方面のスタッフが関与し、最先端の化学療法を提供できるような体制を整えています。
主な対象疾患と治療法
主な対象疾患
- 消化管疾患:がん、逆流性食道炎、食道胃静脈瘤、ピロリ感染胃炎、潰瘍、炎症性腸疾患、消化管狭窄、腸閉塞、憩室炎・出血、など
- 胆道・膵臓疾患:がん、胆石、胆嚢炎・胆管炎、閉塞性黄疸、膵炎など
- 肝臓疾患:がん、肝炎、脂肪肝など
主な治療法
- 上部・下部消化管内視鏡的止血術、イレウスチューブ留置術、内視鏡的異物除去術、内視鏡的消化管バルーン拡張術、消化管ステント留置術、内視鏡的静脈瘤結紮術・硬化療法、EMR:内視鏡的粘膜切除術、ESD:内視鏡的粘膜下層剥離術、内視鏡的ポリープ切除術、超音波ガイド下ドレナージ術、内視鏡的胆道ドレナージ術、内視鏡下乳頭切開術・拡張術、内視鏡下胆道拡張術、内視鏡下胆管結石砕石・採石術、内視鏡下胆管・膵管ステント留置術、内視鏡下胃瘻造設術、消化器がんに対する化学療法、ウィルス性肝疾患に対する抗ウイルス療法、肝硬変・難治性腹水に対するCART(腹水濾過濃縮再静注法)、肝臓がんに対するRFA(ラジオ波焼灼療法)、TACE(肝動脈化学塞栓療法)、放射線治療など。
2023年度診療実績
検査名(上部) | 件数 |
胃・十二指腸ファイバー | 2,449 |
上部超音波内視鏡(EUS) | 162 |
食道内視鏡 | 3 |
食道ステント留置術 | 1 |
食道狭窄拡張術 | 64 |
食道早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術(ESD) | 16 |
内視鏡的消化管止血術 | 32 |
内視鏡的食道・胃内異物摘出術 | 6 |
胆道ファイバースコピー | 0 |
内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術(EVL) | 9 |
胃・十二指腸狭窄拡張術 | 6 |
胃早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術(ESD) | 24 |
胃早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術(ESD)+LECS | 4 |
十二指腸早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術(ESD) | 1 |
十二指腸早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術(ESD)+LECS D-LECS | 0 |
内視鏡的胃・十二指腸ポリープ切除術 | 4 |
上部イレウスチューブ留置術 | 30 |
超音波内視鏡下穿刺吸引生検法(EUS-FNA) | 35 |
小腸内視鏡(バルーン内視鏡による) | 0 |
計 | 2,846 |
検査名(下部) | 件数 |
大腸ファイバー | |
・上行結腸まで | 617 |
・下行、横行結腸まで | 31 |
・S状結腸まで | 42 |
・直腸まで | 16 |
小腸内視鏡(その他のもの) | 0 |
カプセル内視鏡 | 20 |
消化管通過性検査 | 1 |
内視鏡的大腸ポリープ切除術 | 220 |
早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術(ESD) | 41 |
下部消化管内視鏡的止血術 | 10 |
大腸ステント留置術 | 10 |
結腸軸捻転解除術 | 7 |
小腸結腸狭窄部拡張術 | 14 |
結腸瘻閉鎖術(内視鏡によるもの) | 0 |
計 | 1,029 |
検査名(ER) | 件数 |
内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP) | 0 |
超音波内視鏡下瘻孔形成術 | 2 |
内視鏡的胆道拡張術 | 2 |
内視鏡的膵管ステント留置術 | 9 |
内視鏡的経鼻胆道ドレナージ術(ENBD) | 1 |
内視鏡的胆管ステント留置術(ERBD) | 75 |
内視鏡的胆道結石除去術(胆道砕石術を伴うもの) | 14 |
内視鏡的胆道結石除去術(その他のもの) | 13 |
内視鏡的乳頭切開術(EST) | 8 |
内視鏡的乳頭切開術(EST&EHL) | 15 |
内視鏡的乳頭切開術(EST&EML) | 12 |
計 | 151 |
検査名(PEG) | 件数 |
内視鏡的胃瘻造設術 | 36 |
胃瘻交換 | 62 |
胃瘻抜去 | 5 |
計 | 103 |
検査総計 4,129件
消化器癌化学療法件数
2021年度 外来化療:165件 入院化療:109件 計274件
2022年度 外来化療:226件 入院化療:163件 計389件
2023年度 外来化療:157件 入院化療:190件 計347件
所属医師
日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医
日本消化器病学会 九州支部評議員
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会 九州支部評議員・学術評議員
日本食道学会 食道科認定医
日本肝臓学会 肝臓専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本消化管学会胃腸科専門医
日本内科学会認定内科医、
緩和ケア研修修了医、医学博士(鹿児島大学)
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、指導医
日本消化管学会胃腸科認定専門医、指導医
緩和ケア研修修了医
日本内科学会認定内科医
日本消化器病学会消化器病専門医、指導医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、指導医
日本胆道学会認定専門医、指導医
日本人間ドック学会認定医
緩和ケア研修修了医、医学博士(鹿児島大学)
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会消化器病専門医
日本肝臓学会肝臓専門医
緩和ケア研修修了医
日本消化器内視鏡学会
日本膵臓学会
日本胆道学会
日本内科学会認定内科医
日本消化器病学会消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
緩和ケア研修修了医
日本内科学会認定内科医
日本内科学会認定総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会認定専門医
日本消化器病学会消化器病専門医
外来担当医表
施設認定
日本消化器内視鏡学会 専門医制度指導施設
日本消化器病学会 専門医制度認定施設
日本胆道学会 指導医制度指導施設
日本消化器学会 胃腸科指導施設
鹿児島県消化器集団検診精密検査医療機関